80’s洋物シンセ事情 minimoog編

Posted: 1月 17, 2013 カテゴリー: Synthesizer & MIDI
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80’s洋物シンセ事情 minimoog編

80’sに限らずシンセを語る者としてこの機種を避けて通る訳にはいかないでしょう。言わずと知れた唯一無二の存在、minimoogです。1970年に登場し81年まで10年以上製造、販売されていましたが、80年代に入ってもその存在感は健在で、現在まで中古市場を賑わせて流通を続けています。当時12000台ほどが製造されたらしいですが初期型から後期型までいくつかのバージョンが存在し、またメンテの状態や部品の経年劣化などによる個体差もかなりあるようです。よって1台1台それぞれが厳密に言うと別の楽器のような個性を持っているシンセです。moog社に関しては他にもたくさんの名機があるのですが、それらはまた別の機会にしまして今回はminimoogのみに絞ってご紹介いたしましょう。

minimoog04

それ以前にあったシンセと言えば巨大なモジュラーシンセが当たり前の時代でしたが、初めてここまでコンパクトに必要最小限にライブステージにも置けるサイズを実現したのが、この名前の通り「minimoog」です。このフロントパネルは何段階かに起こしたり寝かせたり出来るようになっています。当然、演奏しながらパネルをいじりたければ写真のように起こした方が操作性が良いわけで、よく見るスタイルはこの角度で使われることが多いですね。後期型のモデルでは一部、鍵盤部と音源部がセパレートになっているものもあったようです。

minimoogの音源部のパネルレイアウトは後のシンセのお手本のように作られていて、非常に分かりやすく機能的に整理されていて一度慣れると非常に使いやすいものです。向かって左側から順に信号が流れていくように「CONTROLLERS」「OSCILLATOR BANK」「MIXER」「MODIFIERS」「OUTPUT」の5つのブロックに分かれています。

OSCILLATOR BANKではVCOが3基搭載されていてそれぞれ6種類の波形を持っています。VCO3はLFOとしても使用可能で、その場合は2VCOでの音作りとなりますが、minimoogの場合、このVCOの波形そのものが非常にクセのあるサウンドでピッチの不安定さ(これも1台1台かなり個体差があるようですが)も相まって2VCOのチューニングも微妙に揺らぐため、非常に分厚いあのmoogサウンドを作り出すことが出来ます。

MIXERでは各VCOのON/OFFやレベル、ノイズスイッチ、また外部入力用のEXT INPUTがあります。

そしてminimoogサウンドの音作りの醍醐味があるのがVCF(フィルター)に相当するMODIFIERSです。CUT OFF FREQUENCY、レゾナンスにあたるEMPHASIS、カットオフ周波数の変化量を決めるAMOUNT OF CONTROLで自由に音のキャラクターを作り出すことが出来ます。これらのツマミではどういじっても非常に音楽的に音が作れる感じがします。そうです、どんないじり方をしてもそれはminimoogのサウンドになるのです。(当たり前か。)

こうして出来た音色をVCAにあたるOUTPUTで、音の出方(発音のタイミングなど)を調整します。エンベロープはシンプルにADS(アタック、ディケイ、サスティン)方式で、別にDECAYスイッチをONにすることでリリースが得られるようになっています。そしてこのDECAYスイッチをONにしてDECAYタイムを最大にすることで音がホールドされ鳴りっぱなしにすることが出来、ソロの最後の音を伸ばしておいて別のキーボードを演奏するような使い方もされていたようです。

演奏時に特に重要なのが一番左側のCONTROLLERSですが、ここはチューニング用のTUNE、ポルタメントタイムを設定するGLIDE、VCO3のLFO使用時にノイズをミックス出来るMODULATION MIXの3つのツマミがあります。そして鍵盤左側につけられたピッチベンドホイールとモジュレーションホイール、これらがminimoogの楽器としての魅力になくてはならない存在です。音程を自在に操り、単音ならではのソロ楽器として成立させるピッチベンドやポルタメント機能、また演奏中に2つのVCOのピッチをツマミで直接ずらしてしまうテクニックなどもあります。

ここでちょっとminimoogの使い方を分かりやすく解説しているデモを見つけました。どんどん音が変化していって楽しいですね。

Demonstration of Moog minimoog

さてminimoogと言いますとどんなアーティストを思い浮かべますでしょうか?minimoogの歴史についてこんな動画も勉強になります。本当に様々なミュージシャンに愛され、ロックやポップスの可能性を広げてきた楽器ですよね。

4分過ぎのエンジニアの方が説明されているところでMODEL Aの初期型が登場しますね。なんとホイールがない!レアです。

私個人としてはもちろんリード楽器としてのソロでも使われている好きな曲もたくさんありますが、何と言ってもminimoogと言えばあの図太いベースサウンドが大好きですね。80’sのエレポップでもベースで使用されている名曲がたくさんあります。

ところでmoogを私は最近まで「ムーグ」と発音していましたが、正しくは「モウグ」だそうです。日本では「モーグ」という表記が多いですが、発音は「モウグ」らしいです。ので「ミニモウグ」となりますね。

そしてmoogと言えば、開発者であるRobert Moog氏(愛称はBobだったそうでサインなどもBob Moogと書かれていたりします)ですが、残念ながら2005年に71歳で死去されておりますが、晩年まで新しいシンセの開発に没頭されており、2000年代に入ってからも自身の開発でリアルアナログシンセであるminimoog voyagerなども産み出しておられました。メンテの問題や中古で状態の良いminimoogを探すのも今や大変な時代ですので、こちらもリアルアナログ音源ということで大変オススメの1台となっております。下の動画でオリジナルのMODEL Dとminimoog voyagerの違いが比較されています。


minimoog model D vs moog voyager comparison

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