80′sアーティスト列伝 Depeche Mode vol.5

Posted: 1月 24, 2013 カテゴリー: 80's Music & Artist
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80′sアーティスト列伝 Depeche Mode vol.5

前回までにDepeche Modeの4thアルバムである「Some Great Reward」までをご紹介いたしましたが、今回は86年発表の5thアルバム「Black Celebration」とその前に発売されたアルバム未収録のシングルについてご紹介いたしましょう。


Depeche Mode “It’s called a heart” 1985年発表。なかなかスピード感あり、ベースの音がえげつない感じで、アレンジもリズミカルで派手めな曲です。前作の「Some Great Reward」の延長線な感じの音作りですが、ちょっと詰め込み過ぎ感が拭えません。


Depeche Mode “Shake the disease” 1985年発表。Martinの怪しいハイトーンヴォイスで始まる曲ですが、名曲です。多分、大好きなDepeche Modeの曲の中でもあえて順番をつけろと言われたら一番になるんじゃないかという曲です。途中再度登場するMartinの「Understand me…」のところでやられます。サウンド的には上記の「It’s called a heart」同様、前作の延長線にある曲なのですが、メロディが抜群に好きです。間奏のメロディなども込み上げるモノがあります。シンセの音色もマイルドなものが何重にも重なっていて優しく包み込む感じです。何度でも言いますが名曲です。そしてこの曲もアルバム未収録となっていますが、「It’s called a heart」とともに下記のベスト盤に収録されています。

depechemode_the_singles81_85
Depeche Mode The Singles 81>85 上記のシングル2枚を含む4thアルバムまでのDepeche Mode初期のベスト盤。

デビューからこれまでコンスタントに毎年アルバムを発表してきた彼らですが、85年にはこれらのシングル2枚の発表のみで続く新アルバムは86年に登場しました。

depechemode_black_celebration
Depeche Mode “Black Celebration” 1986年発表。

1 Black celebration
2 Fly on the windscreen
3 A question of lust
4 Sometimes
5 It doesn’t matter two
6 A question of time
7 Stripped
8 Here is the house
9 World full of nothing
10 Dressed in black
11 New dress
12 Breathing in fumes
13 But not tonight (extended remix)14 Black day

一言で言えばこのアルバム、暗いです。ダークです。4thアルバムでの「People are people」などのヒットによりアメリカ進出を果たし世界でメジャーな存在になった彼らにとって、もはや売れることなど考えていないように自分達の殻に閉じこもり、独自の世界を追求しています。いや、4thの成功があったからこそここまで突き詰めたアルバムを作り出すことが出来たのかもしれません。

M1のタイトル曲「Black Celebration」から既にイントロが暗い地獄の入り口のような雰囲気を醸し出しています。メロディも怪しさ満点のダークなものです。そしてこのアルバム通して言えることなんですが、サウンドの傾向として全体にものすごく深いリバーブが多用されています。そしてシンセの重ね方もものすごくシンプルになり空間を活かしたアレンジになっています。前作、もしくは「Shake the disease」などのような何重にも重なったメロディのアレンジに比べるとはっきり分かります。

M2「Fly on the windscreen」はさらに拍車をかけて重苦しいアレンジでこちらはアナログシンセのブイブイ言うベースがその重苦しさにピッタリハマっています。歌い出しの「Death is everywhere…」のMartinのハモリも最高に怪しい味を出してます。またメロディの隙間に効果的に鳴り響くアコースティックピアノのサウンドも怪しいメロディに最高のアクセントを加えています。気持ちのいいシンセシーケンスとともにこの辺のオーケストレーションについてはAlan Wilderの手腕によるところが大きいと思われます。シンセサウンドに関してはあえて分厚い音ではなく、割と薄い透明感のある音色で空間を埋めないように鳴らされているようです。


Depeche Mode “Fly on the windscreen (Devotional 1993)” 93年のライブ映像ですがリズムアレンジがカッコいい!!!ウワものはほぼCD通りなんですがね。

M3の「A Question of Lust」はMartinのヴォーカルによるスロウナンバーです。この「It’s a question of 〜」というのはMartinの口癖だそうで、M6の「A Question of Time」でも使われてます。とても優しいMartinの歌声が堪能出来ます。バッキングのシンセサウンドはこちらもヴォーカルを邪魔しないように大人しいサウンド主体のオーケストレーションです。続くM4の「Sometimes」もMartinのヴォーカルによる曲でこちらはピアノのバッキングでとてもシンプルに聴かせてくれます。とても落ち着く、安らぐ感じのメロディです。


Depeche Mode “It Doesn’t Matter Two”

そしてM5の「It doesn’t matter two」、こちらもMartinのヴォーカルですが、こちらはヴォイス系のバッキングに重なる感じで始まりますが、メロディが絶品のMartin節です。マリンバのようなバッキングもいい感じで跳ねていて気持ちいいです。とても短い曲なので聴いていていつも終わるのが勿体ないほど切ない曲です。


Depeche Mode ” A Question of Time”

M6の「A Question of Time」はギターライクなリフが印象的で、アレンジもドライブ感のあるエイトビートでDepeche Modeにとってはめずらしいタイプの曲です。でもこのアレンジって彼ら以外にはなかなか出来ないというか、彼ら以外には認められない演奏です。彼らだからこそ許されるような、シンセでこんな感じのギター風のリフってなかなかやろうと思わないですよね、普通。そしてDavidのヴォーカルだからこそ成り立つ曲なわけで。

M7の「Stripped」はエンジンのSEがそのままリズムになって始まるイントロで、歌詞とも相まってメロディが壮大な感じでとても広い風景が浮かぶような曲です。アルバム中でも個人的にとても好きな曲です。間奏のシンセのサウンドもとても気持ちいいです。


Depeche Mode “Here is the House”

M8の「Here is the House」はDavidとMartinのハモリが素晴らしい名曲です。本当にこのアルバムはどの曲もどこまでもシンプルにメロディの美しさが強調されてますね。「Shake The Disease」と争うくらい好きな曲です。後半のギターの単音メロディなど何故か震えが来ます。この曲もいつまでも聴いていたい、いつも聴いていて終わるのが惜しい曲です。

M9「World full of nothing」はまたまたMartinのヴォーカルによる曲です。この曲もMartin節が炸裂していてシンプルなバッキングながらとても味わいのあるスロウナンバーです。やはりこのアルバムはMartin色がいい割合で強く出ているのがいいですね。

M11「New Dress」はゲートの効いたドラムと硬質なシンセベースが攻撃的なサウンドでものすごい緊張感が出ています。この曲をアルバムの後半に持ってくる辺りのセンスもいいですね。この曲のサウンドの質感などは後の名盤「Violator」あたりに繋がりそうな路線です。

本当にDepeche Modeというバンドはアルバムごとに驚異的な成長を遂げているバンドで、前作「Some Great Reward」の成功に留まることなく、わずかな期間でさらにこのようなアルバムを完成させてしまいました。中でもこのアルバムはコンセプトが素晴らしく、どの曲もアルバムになくてはならないほど捨て曲がなく世界観が統一されています。先ほども言いましたが前作よりもアレンジがシンプルになり、よりヴォーカルの声そのものであったり歌詞を聴かせてくれる構成で、なおかつバッキングは必要最小限ながらも印象的なサウンドに溢れていて何度でも聴きたくなるアルバムです。前作ではサンプリングによる過激な音作りが印象的でしたが、今作では曲全体の空間に必要なサウンドをよく吟味してシンセの使い方も透明感のある、リバーブ成分まで綺麗に聴き取れる雰囲気を大事にしたものとなっていて、曲として、アルバムとしての完成度が増しています。

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