80′s洋物シンセ事情 PPG編

Posted: 3月 8, 2013 カテゴリー: Synthesizer & MIDI
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80′s洋物シンセ事情 PPG編

今夜は久しぶりに、80年代の海外製シンセの話題です。当時のミュージックシーンの中でもひと際異彩を放っていたのが今回ご紹介しますドイツのPPGという会社でございまして。

この会社の始まりがドイツの一人のエンジニア、Walfgang Palm氏が、70年代から前衛的にシンセを取り入れていた同じくドイツのバンドであるTangerine Dreamの機材のカスタマイズを行ったことから彼らの支援のもと、PPG社(Palm Products GmbH)が設立されました。1975年のことです。

そしてここから当時、全く新しい発想の「ウェーブテーブル」方式のシンセが生まれることになります。この方式は、当時非常に高価だったデジタルメモリーで多数の波形を扱い、圧倒的な音作りの幅を広げたというもので、広い意味では後の86年のSequential Caircuits社のProphet VSや、90年のKORG WAVESTATIONのベクトルシンセへの系譜に繋がっていく画期的な発想だったと思います。また、ここで言う”波形”とは後のPCM音源のそれ(サンプリング波形)などよりももっとミニマムな(当時は本当にメモリーが高価だったので)他のシンセでよく使うサイン波やノコギリ波などの、音の1周期の音素片と同レベルのお話です。

そして1979年、この方式のシンセシステムがWave Computer 340/380として発売され、Tangerine Dreamや初期のThomas Dolbyの音源でそのサウンドを聴くことが出来ます。ただこのWaveはシンセというよりも大掛かりなコンピュータシステムのようなもので、それまでのツマミで音を作っていくアナログシンセとは全く使い方が違っていたので広く普及するには至らなかったようです。

Wave 2 SERIES

さらに81年、このWaveにVCF、VCAを装備し、キーボードタイプの楽器として完成させたのがWave 2です。翌82年には2.2へと進化し、1ヴォイスにつき2オシレータ仕様になっています。このWave 2シリーズの特徴は何と言っても、Waveシステムから引き継いだデジタル処理された音源心臓部であるオシレータと、楽器として、シンセの従来の音作りの醍醐味を付加したアナログフィルターのデジアナ・ハイブリッドシステムです。ここに当時、他社では到底追いつけない独自のシステムが完成しました。そのサウンドは8bit処理された搭載波形による独特なもので、ノイズも多く含んでいるのがまた逆に音楽的とまでも言われています。2.2はCV/GATEによる制御が可能で改造によるMIDI化などもポピュラーなようで中古市場でも稀に流通しているようです。

ppg_wave22
PPG Wave 2.2 1982年発売。定価1980000円。

この青いフロントパネル、左側の大型のツマミといい、右側のLCDスクリーンとテンキーといい、サウンドもルックスもまさにデジアナ・ハイブリッドですね!カッコいい。当時から未だに憧れのシンセのひとつです。

Wave 2シリーズは、84年にはWave 2.3が登場し、MIDIを標準装備し、8音ポリながら、8マルチティンバーが可能に、また音源部も12bit化されました・・・が、87年、非常に残念なことに会社が倒産してしまいました。

・・・がしかし、後にWaldorf社として復活していたようです。この辺の事情は私も全然詳しくないのでアレですが、相変わらずカラフルなルックスのいくつかのなかなかイカしたシンセを発表しています。

そして現在ではPC上にソフトシンセとしてWaldorf社からPPG Wave 3.vが出ているようで。

う〜ん、今さらながらPPGファンとしてはWaldorf製品についても調べてみる価値がありそうですね。

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