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80’s アーティスト列伝 Howard Jones vol.6

最近、鍵盤を弾いているとまたしても私の中でのキーボードプレイの原点、Howard Jones熱が上がって来ているのですが、今日は彼のキャリアの中でも80年代の大成功から90年代初頭、丁度セールスが落ち始めていた頃、メジャーとの契約が切れ、独自のレーベルから密かに?リリースされた知る人ぞ知るアルバム「Working in the backroom」をご紹介いたします。

Working In The Backroom
“Working in the backroom” 94年発表

80年代のアルバムと比べると決して派手さはないのですが、内向的でありながらとても肩に力の入っていない彼の素の表現といいますか、歌い方なんかもすごく自然で、すっと耳に入ってくる感じのメロディです。

また機材の使い方なども80年代とは違ってきていて、もちろん彼ならではのキーボードプレイはたくさん入っているのですがキャッチーなシンセリフとかはないです。あくまで歌主体でリズムやバッキングのアレンジもシンプルでおとなしめでありながらとても雰囲気があって、このアルバムは彼の他のどのアルバムともテイストが違います。

Album “Working in the backroom”

  1. Cathedral Of Chutai Excerpt
  2. Cookin in the Kitchen
  3. Over & Above
  4. You are Beautiful to me
  5. Left No Evidence
  6. You Can Say It’s All Over
  7. Don’t Get Me Wrong
  8. Blue
  9. Egypt Love Trance
  10. Let The Spirit Carry Me
  11. Cathedral Of Chutai

M1はキラキラしたシーケンスで始まるインストで、アルバム全体のイントロのような雰囲気でそのまま曲間なくM2がフェードインで始まります。M2は跳ねた感じのドラムが気持ちいいグルーヴです。それにざらついて汚れた音色のエレピなんかがかぶさって怪しい雰囲気です。ヴォーカルはささやくような歌い方です。なんと言いますか、曲やメロディというよりもこの雰囲気、音空間がいろいろな技が重なって出来ており、聴いていてとても面白い音空間です。ヴォーカルはサビ以外ものすごくデッドだし。

打って変わってM3はとても素直なコードとメロディが清々しい曲です。バッキングもピアノ中心でオーソドックスです。

M4はM2よりもさらに雰囲気のある曲です。このアルバム、エレピの良い音いっぱい聴けますね。またしても声を張らない系の歌い方です。こういうのハマってたんですかね、この頃。でも味があるんですよね、彼がやると。このそーっと歌う感じ。そしてさりげなくリズムが渋いんですよね。

M5は初めて聴いたとき衝撃を受けました。メロディとリズムのこの強引な感じ・・・7拍子ですかね。自分でも7拍子の曲ってやったことないです。すごく不思議なノリです。すごく不自然だけどかっこいい。ずっと聴き入ってみると3拍子と4拍子が交互にくる感じなんですね。凝った作りです。こういうのってメジャーレーベルでは出来なかったことなんでしょうね、きっと。実験的といいますか。

M6はまたささやき系のデッドなヴォーカルとエレピのバッキングのみで始まるという、ある意味このアルバムを象徴するかのような音作り。エレピも途中から入ってくるドラムなんかもすごくデッドで途中まではリバーブかかってないような音なんですが、とても立体的に聴こえるんですよね。後半は声を張るところもありますが。地味なんですけどとても真摯に心置きなく音楽にどっぷりと取り組んでいる彼の姿が目に浮かぶような曲です。

M7はコレまた若干跳ねてる感じのノリのドラムで始まります。シンプルですが使ってるシンセサウンドはかなり凝った音作りをしていて聴き応えがあります。確か時期的にこのあたりはRoland JD800あたりにハマっていたのでしょうか、それっぽい暴れ気味のサウンドがチラホラ聴こえてきます。

M8はガラッと変わってまた、ナチュラルな感じのスロウな曲で彼ならではのメロディが聴ける切ない感じの曲です。途中のロータリースピーカーを通したハモンドのような(本物かも?)オルガンが最高に渋いです。このアルバムでは実は一番好きかも。

M9は若干早めのテンポのインストです。これも使ってるサウンドがどれも凝っていて雰囲気が独特です。さすがシンセシスト!あらゆるシンセのおいしいサウンドがぎっしり詰まってます。

そしてM10はアルバム中で唯一けっこうキャッチーな力の入った曲です。当時のライブ映像がございましたので。


“Let The Spirit Carry Me”

メジャーから出していたらそこそこ売れたであろうキャッチーな曲で、なおかつ作りも凝った作りの曲ですね。

ところで私がこのアルバムを入手出来たのは、93年当時、東京のブルーノートにて来日ライブがあり、たまたまチャンスがあって行けたのでライブ会場限定でゲット出来たアルバムなんです。中学時代からファンでしたが、実際に彼のライブを見たのはこのときだけなんです。なので個人的にとても思い入れの深いアルバムなんです。ライブのセットもこの映像とほぼ一緒の感じでシーケンスはMacintosh Classic IIで走らせてましたね。それと後ろのラックの上のRoland Jupiter8とJD800のうちJupiter8がどうも調子が悪いようでした。この頃は私もJupiter8を使っていましたので、「言ってくれれば貸してあげたのに・・・」などと思い、観客でありながら機材の調子を心配しながら見ていた覚えがあります。

実際、このときのライブは客席とステージがほんの1、2メートルほどしか離れてなくて一番前の席をぶんどって楽しめました。このアルバムからの曲と往年のヒット曲なんかも披露してくれましたし。そしてステージでの彼は実際見てみると本当に日本人の平均?くらいか少し華奢な方の体格で、性格も穏やかでシャイというか、本当に温厚ないい人なんだなぁという実感でした。

なんだか個人的な思い出話になってしまいましたが、そんなこんなで今でもこのアルバムを聴くと当時の思い出がよみがえる、私にとってそんな特別なアルバムなんです。今ではiTunes Storeで購入出来るようですね。プレビューも出来るようなのでまだ聴いた事がない方はぜひチェックしてみてください。

80’s COVER SERIES vol.5

Posted: 7月 29, 2013 カテゴリー: GarageBand
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80’s COVER SERIES vol.5

深夜にふと目を覚まし、無性に鍵盤が弾きたくなりまして、久しぶりに大好きなHoward Jonesの”New Song”を弾いてみました。中学時代から弾いている、いわば私の鍵盤プレイの原点のような曲で、30年以上弾いていますがやっぱりいつ弾いても楽しい曲です。

相変わらずドラムはあまり凝ってないのですが、イントロのコンガのパターンだけは打ち込みました。


“New Song” inst. version Howard Jones Cover

これだけ弾いたらやっぱり歌いたくなりますね。ドラム以外は全パート手弾きです。音源はすべてGarageBandのソフトシンセです。今回は弾きたいだけでしたので、あまり音色にもこだわってませんが。


続・80’s COVER

先日久しぶりにHoward Jonesの「Hide and Seek」を弾いてみましたが、その後自分の中で80’sネタブームが盛り上がってきまして、にわかに続編をやってみました。今回は2曲ほど。


“Point Of No Return” inst. NU SHOOZ COVER

大好きなNU SHOOZの一番好きな曲です。このフレーズ一発で1曲押し通す感じが好きです。といっても細かな構成まで綿密に打ち込んだわけではないので本当に雰囲気だけ出してみた感じのいつも通り手抜きな打ち込みです。もっと煮詰めれば作り込めると思うのですが・・・

そしてまたしても前回に続いてHoward Jonesの曲で、


“Like To Get To Know You Well” inst. Howard Jones COVER

こちらもイメージだけで構成うろ覚えでドラム以外全パート1曲通して手弾きです。あとはメインのシーケンスリフだけは、2小節くらいのループですが。後半は構成がめちゃめちゃになって終わってしまってます。こちらも雰囲気だけ楽しんだ感じです。

久々にコピー曲をやってみて思うのは、やっぱり構成がしっかりしている曲を作るときはGarageBandでやるよりもKAWAI Q80の方が断然にやりやすいということ。GarageBandではトラックの編集メニューがなさ過ぎて使い物になりません。となるとQ80メインで音源もハードシンセでやる方が早いわけで、長年ハードケースの中で眠っていたYAMAHA SY85を引っ張り出してみました。