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’93年 ミキシングコンソール事情

ミキシングコンソールなどといいますと何か大げさな感じがしますが、ただ言ってみたかっただけです。4chでも24chでもいいのです、ミキサーのことです。2013年現在ならば、PC内でいろいろとエフェクトから何からミックス出来てしまうのですが、この時代の打ち込み&録音環境には欠かせないシステムの中枢となる重要な機材でした。そしてアマチュアユースでも充実した多チャンネルの卓が各社から出始めたのもこの頃ではないでしょうか。

90年代初頭に私が使用していたのは・・・

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TASCAM 2524 定価460,000円

24ch、8BUS、4AUX、各ch4バンドEQ、と充実の機能でした。このシリーズでは16ch版のTASCAM 2516(定価320,000円)もありました。他にはもう少しコンパクトなタイプながら20ch入力のMM-1(定価99,800円)やBBE搭載のMM-200(定価79,800円)などもありました。TASCAMのミキサーはツマミやフェーダーが程よい固さで使い心地が良く(安物って不安なほど軽いフェーダーとか異常に固いロータリーツマミとかありますからね・・・)chのEQの効きなんかも素人好みといいますか、本当音作り的においしいポイントでかかるんですよね。この辺はYAMAHAとかのプロのPA卓とかだともっと良くも悪くもフラットといいますか、積極的に音を作るというよりも均すというか補正なんですよね。

そんなわけで結構気に入って使ってたTASCAMですが、実はやっぱり洋物への憧れもありまして。

こんなのに憧れていたり・・・

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MACKIE 32/8 定価888,000円 同シリーズでは 24/8(定価698,000円) 16/8(定価548,000円)もラインナップされてました。もうちょっと低価格帯では MACKIE CR1604(定価198,000円)とかもありましたね。その後、99年には遂にこの憧れのMACKIEブランド、1402 VLZ PROを手にしました。これは今でも大事に使用しています。14chですが今では普段使用する音源なんかもだいぶ減りましたので充分です。

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MACKIE 1402 VLZ PRO 1999年発売。定価88000円。

そして丁度この90年代のMACKIEブランドの上陸と同時期に人気を博していたのが、イギリスの名門、SOUND CRAFTです。

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SOUND CRAFT SPIRIT STUDIO 32-8-2 定価998,000円 これも憧れましたねぇ。この無愛想な青っぽいグレーの面構え、渋いです。中央の赤いグループフェーダーの目立つこと。ま、値段が値段なので手が出ませんでしたけど、仕事絡みで何度かオペする機会はございましたが。このSPIRIT STUDIOシリーズは、同24chの8バスが定価828,000円、16chが628,000円、そしてこの上位シリーズにSPIRIT AUTOというのがございまして、こちらはAUTO 32chが定価1,480,000円、AUTO 24が1,180,000円、16chが880,000円と桁がひとつ違いました。AUTOシリーズはVCAフェーダー、ch muteなどの動作をMIDIコントロール出来るという当時としては夢のスペックを誇っておりました。後はSPIRIT LIVEシリーズだと確か4BUS仕様だったような。当時はMTRでの多重録音を前提としての用途が多かったのでこのBUS OUTの数は重要でしたね。

しかし!そんなSOUND CRAFTからもアマチュア向けにSPIRIT FOLIOというシリーズがあり、一時期MACKIEを買う前に使ってたことがございました。こちらは小型・軽量でライブのキーボード用ミキサーとしても持ち運びも便利でした。

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SOUND CRAFT SPIRIT FOLIO 12/2 定価110,000円

このように90年代当時は、まだまだデジタルミキサーも出始めでアナログ卓が全盛の頃だったように思います。そして数年前まで私が勤務していたライブハウスでメインで使用していたのがこれまたイギリスの名門、MIDASの廉価シリーズで大ヒットしたVENICE 320です。

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MIDAS VENICE 320

これも32chのライブ用卓としてはとても小型で使いやすかったですね。本格的で大型の上位版は触ったことがないですけど。これは現場で修羅場を共にしてきただけあって個人的に思い入れが強い機種です。定価も良く知らないのですが60〜70万円ほどらしいです。

後は20代のPA覚えたての頃の昔からずっと現場でいじってきたのはやはりYAMAHAの卓が多いですね、それこそ機種もPM3000級の4〜5人でないと持てないようなやつから8ch程度の小さいヤツまで様々でした。でも個人的にはYAMAHAの卓ってわざわざ自分でお金出して買ったことないんですよね。どこにでもあり過ぎて・・・嫌いではないんですけど。YAMAHAの卓は本当に良くも悪くも音質はフラット、クセがないのがクセ、みたいなどんな機種でも扱いやすい安心感はあります。現場で初めていじる機種でも変なところに変なスイッチとかがないのですぐに使いこなせる感じです。

後はミキサーというと高校時代に一番最初に買ったまともなミキサーはKORGのラインミキサーKMX122です。これは一時期とても気に入ってて2台カスケードして使ってたほどでマイク入力もない入力ゲインもない、chのEQもないchのボリュームはフェーダーじゃなくてロータリーツマミという非常にシンプルなやつでラックマウントでライン入力が12chというch数と余計な回路がない分、価格のわりに(定価69,800円)ノイズが少なくSNが良くてとても好きなやつでした。

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KORG KMX122 定価69,800円

後はRolandとかBOSSブランドでも結構手頃なラインミキサーってありましたね。個人的にあんまり印象ないんですけど。

今だと卓というとほとんどデジタル化されてたり、見た目アナログ卓でもリバーブやディレイを内蔵してたりとかですけど、やっぱり未だにいじるとすればいつでも全chが自由に “手” でいじれるアナログ卓が好きですね。SOUND HOUSEとか覗くとALLEN & HEATHとかBEHRINGERとかがコスト的に魅力のある機種が豊富みたいですね。


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KORG KMX122 1988年発売。定価69800円。12chラインミキサー。3系統エフェクトセンド。当時アマ向けのミキサーとしては8chが主流であったが、12chしかもエフェクトが3系統というのは大変コストパフォーマンスが良く重宝しました。2Uラックマウントタイプなのでフェーダーがないのはむしろ気持ちよく、ライン専用なのでGAINやチャンネルEQなどの無駄なものも一切なく、音はとても素直なSNの良いものでした。やっぱり安いコンパクトミキサーでGAINやEQなど余計な回路が増えると音が悪くなる要因になるので、当時シンセ音源をまとめる用途で、この選択は正しかったと思います。実際、このミキサーはとても長く使っていました。

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KORG KMP68 1988年発売。定価20000円。6IN8OUT MIDIパッチベイ。これも高校時代にKORG KMX122と一緒にセットで購入しました。実際、数台のMIDIシンセや音源、ドラムマシンを同期で制御するのにとても役立ちました。フロントパネルに8THRU分の8つのロータリーノブだけというシンプルオペレーションでとても使いやすかったです。当時Y社やR社からもMIDIパッチベイは出ていたかと思いますが4OUTくらいのものとか、逆にやたらプログラマブルな面倒くさいものが多いなか、これは機能はシンプルで多チャンネルというまさしく、私のニーズに合致した1台でした。今も我が家で現役です。


第1期 打ち込みセット 高校時代編

私が音楽、打ち込みを始めたのは高校1年の頃からです。その頃の懐かしの機材をご紹介いたします。高校時代は夏休み、冬休みなどはすべてバイトに明け暮れ、機材を増やしていきました。年代にして1985年から88年頃のお話です。

このブログの最初の投稿で私のファーストシンセ、YAMAHA DX21をご紹介しましたが、もちろんそれ1台では飽き足らず、次に手に入れたのが当然、リズムマシンでした。最初に買ったのはBOSSのDR220Eでした。

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これすごいシンプルに打ち込めてMIDIもなく、単独で使うしかないものでしたが、型番の末尾の”E”というのが「エレクトリック」の”E”で音色がすべてエレドラ系のものという、最初の1台としてどうよ?なものでしたが、音自体はバサッとして重い感じでなかなか気に入ってました。確か2万円するかしないかくらいでした。当時はこれを鳴らしつつ、DX21でベースやコードを弾いてラジカセにバッキングを録音して、そのテープを鳴らしながら、別のパートを弾いてもう1台のラジカセで録音するという原始的な多重録音を楽しんだものです。

で、次に買ったのがMaxonの8チャンネルミキサーです。ミキサーを買ったことにより直接ラジカセで生録するよりもラインでドラムマシンとシンセをミックスできるので、サウンド的に飛躍的にクオリティが上がりました。しばらくはこのセットでHoward Jonesのコピーをしたり、学校の仲間とバンドをしたり楽しんでいました。その後リズムマシンをもう1台、Roland TR505を購入しました。こちらは最初に買ったBOSS DR220Eとは違い、純粋な生ドラムのしっかりした音でMIDIにも対応していたのでしばらく大変気に入って使っていました。

そして高校3年生のとき、意を決して本格的な作曲や打ち込みをしたく、当時の高校生としては大掛かりなセットを購入するに至ります。シンセは今までのYAMAHA DX21だけではどうしても足りないので、YAMAHA DX7Sを、贅沢にマルチティンバー音源もということでYAMAHA TX81Z、そしてリズムマシンはKORG DDD5、シーケンサーにYAMAHA QX5、ミキサーにKORG KMX122、さらにMIDIパッチベイKORG KMP68という構成でした。これらは当時結構バイト代を貯めていたのと就職が内定していたので自分で払っていくという約束で、無謀にも親父を説得し、親父の名義でローンを組んで手に入れました。60万円以上したと思います。もちろん就職してからきちんと完済しましたが。

もう高校3年の途中でこのセットを組んでからはほとんど勉強などしていなかったくらい、作曲や打ち込みに没頭していました。ここまでで、YAMAHAとKORGの機材がメインですが、シンセはDXのFM音源から入ったので音作りに自信があってYAMAHAに偏っていたのと、ミキサーやパッチベイなどはKORGがコストパフォーマンスが良かったので選びました。それぞれの機材ごとの詳しい紹介はまた別にいたしますが、ここまでが私の第1期機材セット、高校時代編です。我ながらバブリーな高校生でした。

第1期 打ち込みセット 高校時代の機材

Synthesizers YAMAHA DX7S、YAMAHA DX21、YAMAHA TX81Z
Sequencer YAMAHA QX5
Drum Machines BOSS DR220E、Roland TR505、KORG DDD5
Mixer KORG KMX122
MIDI PATCH BAY KORG KMP68